イギリスのメンタルヘルス啓発活動 Heads Togetherとは

 

イギリスではメンタルヘルスに対する啓発活動が今とてもさかんです。

メンタルの病も風邪と同じ。誰もがかかりうるものであるのに、なぜか後ろめたいものとして扱われてきました。

そういった風潮をなくし、誰もが気軽に「私、ちょっとうつになっちゃって」と話せるような環境を作っていこうという運動が、国を挙げて行わているのです。

それが、王立財団がスポンサーとなっている団体 Heads Together

 

Heads Togetherでは、イギリス王室のウィリアム王子、キャサリン妃、そしてヘンリー王子がメディアを通して国民に訴えかけることで、メンタル疾患に対する『スティグマ(不名誉なもの)』をなくそうという活動を行っています。

このHeads Together設立当時、ヘンリー王子が、母親の悲劇的な死が原因で、過去にメンタルヘルスの専門医の治療を受けたことを告白したことが、大きな話題になりました。

 

若い世代の方では知らない方も多いかもしれませんが、ウィリアム王子とヘンリー王子の母親である元ダイアナ妃は、1997年パリでパパラッチの車に追われて衝突事故を起こし、亡くなっています。

このとき両王子は15歳と12歳。

王子として生まれ不自由ない暮らしである一方で、常に世間の目にさらされ、プライバシーがない状態で最愛の母親を亡くした両王子の悲しみははかり知ることができません。

 

 

 

メンタル疾患を患ったのは、自分の母親の死に背を向けて、一切の感情をもたないように過ごしてきた王子が、既に20年近く経った20代後半のときだったそうです。

そのときの自分の症状についてヘンリー王子はこう語っています。

誰かを殴りたい衝動にかられ、公務に対する不安がつきまとっていた・・・

 

母親の死を正面から受け止め、悲しみの感情を受け入れることで、ヘンリー王子の疾患は2年ほどで回復したそうです。

 

自分の『スティグマ』を公にするに至った理由は、自分のように苦しんでいる人が一人でも多く救われるように、メンタル疾患に対するイメージを払拭するためだったと言っています。

そして、兄夫婦ウィリアム王子とキャサリン妃とともに、2017年のHeads Togetherの設立に至っています。

 

同年に開催されたロンドンマラソンでは、Heads Togetherを代表するランナーが700人以上参加しました。

イギリスでは、色々なチャリティー団体がマラソンに参加し、募金を募るのが一般的です。

イギリスで死亡率が高い疾患である乳がんや、流産や死産で子供を亡くした親をサポートするチャリティー団体をマラソンではよく見かけます。

私がロンドンの日系企業で働いていたときに同僚のイギリス人が脳腫瘍で亡くなるという悲しい出来事がありました。

彼が亡くなった後、一人の同僚の呼びかけで、私も10kmマラソンに参加した思い出があります。

 

多くのチャリティーマラソンが存在する中でも、このHeads Togetherのロンドンマラソンへの参加は特別な意味がありました。

それは、メンタルヘルスを掲げるチャリティー団体がマラソンに参加することが史上初のことだったからです。

 

影響力がある人が中心となり、メンタルヘルスに対する理解を深めようとする。

ここに至るまでの道のりは、イギリスでも色々な障害があったはずです。

日本においては、その障害はさらに大きなものになるであろうと思います。

でも、いつか、できるだけ近い未来に、このようなメンタルヘルス啓発活動や、チャリティーマラソンが日本でも実現できたらと思っています。

 

Heads Togetherとは、頭を寄せ合ってというような意味(日本語だと三人寄れば文殊の知恵かな)には、一人で悩まずに皆で話し合おうという意味が込められています。

日本でも、メンタルヘルスに関する会話が自然にできる日が来ることを願って、今後Momomimoではこの団体の活動を紹介していきます。

 

 

Momomimo

心理カウンセラー/NLPプラクティショナー ミッソン慶子

 

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